一般社団法人 日本映画テレビ技術協会主催「第54回(2024年度)優秀制作技術賞」(旧柴田賞)を受賞

当社フィルム&レストレーション部 所属の伊藤諒司が、一般社団法人 日本映画テレビ技術協会が主催する第54回(2024年度)優秀制作技術賞(旧柴田賞)を受賞しました。

優秀制作技術賞は、映画、テレビ、科学映像、イベント・プロモーションなどの映像制作技術に従事している技術者の中で、他の模範になり得る業績をあげた者を対象として授与されるものです。

受賞者:
伊藤 諒司
2016年に入社以来、一貫して現像業務に従事。
現在、国内で唯一となった当社の現像サービスを牽引する一人として、自身が発案した8mmフィルム現像サービスの開始や、これまで再現が困難とされてきた「銀残し」の復元を成功させるなど、創業以来90年にわたり培ってきた現像技術を継承するだけでなく、さらなる発展を実現。

受賞理由(映画テレビ技術協会総評)
伊藤氏は入社後、フィルムプロセス部門で現像や化学分析などのラボ技術を幅広く習得された後、入社5年目からはネガ現像を担当され、三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』や是枝裕和監督『阿修羅のごとく』など多くの作品に携わられました。デジタル化が進む中でもフィルム文化の継承を志され、8mmカラーネガフィルムの現像に新たに挑戦。現像機の改造や8mm用機器の開発、テストを繰り返し、2年かけてサービス化を実現されました。8mmでもプロユースに耐える品質を提供し、CMやPV、ドラマなどでの活用が広がりました。
またフィルムを使ってみたい若年層に向けたセミナーやワークショップを積極的に開催し、フィルム映像の魅力を伝える活動もされています。さらに復元分野では現像機改造や薬品調整によって往年の「銀残し」の質感を忠実に再現することに成功。保存分野でも災害で損傷したフィルムを救済するための洗浄技術を開発し、文化資産の保全にも貢献されました。
これらの活動を通じて、フィルム技術の進化と次世代への継承に大きな役割を果たされており、日本の映像文化を守っていくために今後も活躍が大いに期待されます。

受賞した伊藤 諒司

当社の技術者たちは常に誠実に映像制作に向き合い、新しい世代へ技術と技能を伝承してまいりました。これからも映像業界の発展に寄与してきた姿勢を忘れることなく、技術の研鑽を積み重ねてまいります。

一般社団法人日本映画テレビ技術協会 公式サイト
http://www.mpte.jp/

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