【アニメーションイベントレポート】マルチプラットフォームを見据えた色管理 - カラーマネジメントサービス「Colette」を利用したワークフロー -

2024年12月9日当社の竹芝メディアスタジオにて、色の技術に関する取り組み“Color by IMAGICA”の一貫として、EIZO株式会社の協力のもと、アニメ制作者向けイベント「マルチプラットフォームを見据えた色管理について~カラーマネジメントサービス「Colette」を利用したワークフロー~」を開催しました。

イベント詳細

【開催日時】2024年12月9日(月)

【会場】IMAGICAエンタテインメントメディアサービス 竹芝メディアスタジオ

【内容】

1.アニメ制作フローにおける色管理の要素技術をテーマにした講演
カラーイメージングエンジニア:長谷川 智弘
2.DolbyCinema仕上げ作品の撮影・チェックアプローチご紹介
カラリスト:山下 哲司
カラーイメージングエンジニア:長谷川 智弘
3.劇場作品におけるカラーグレーディングのアプローチ
カラリスト:関口 正人 皆山 実貴子
4.OTT作品HDR仕上げフローのご紹介
カラリスト:斎藤 岳史
エディター:平野 郁也
5.EIZOモニターの展示、他各種サービスの展示

本イベントは、近年多様化するアニメ制作フローにおいて「マルチプラットフォーム」をテーマに、異なるメディアに対応した「色の技術」を体感いただくことを目的として開催しました。全3回実施し、合わせて100名以上のアニメーションプロデューサー、色彩設計、撮影など、色に関わるクリエイターのみなさまにご参加いただきました。

各講演を通して、マルチプラットフォーム展開に欠かすことができない「色管理」について、副題でもあるカラーマネージメントシステム「Colette」を使用したワークフローを交えた説明を行いました。

アニメ制作フローにおける色管理の要素技術をテーマにした講演

色管理の要素管理について、本イベントに関係する「色域と色温度」や「ACES」などにふれた上で、当社の色管理における強みと独自性、環境を揃えるためのネットワーク構築の重要性、Coletteの現在地とこれから、について説明を行いました。

カラーイメージングエンジニア 長谷川 智弘

DolbyCinema仕上げ作品の撮影・チェックアプローチご紹介

カラリスト 山下 哲司

アニメーション作品をDolbyCinema仕上げにした場合の表現の違いや、様々な状況に応じたDolbyCinemaのカラーパイプラインのバリエーションについてなど、実際の作例を用いながらご紹介しました。加えて、アニメーション撮影工程へのHDR導入について、当社が実施したサポート内容のご紹介と、DolbyCinema作品用に独自に開発したプラグインの効果について解説しました。

劇場作品、OTT作品、TVアニメなど、各種媒体ごとのカラコレ事例紹介

スクリーンカラーグレーディングの部屋でいくつかの作例を上映しながら、モニターとスクリーンの表示デバイスや色温度の違いがどのように見えるか、TVシリーズを基に制作している作品の劇場版をどのようにスクリーンで再現するかなど、カラーグレーディングでのアプローチ方法について説明を行いました。

カラリスト 皆山 実貴子
カラリスト 関口 正人

OTT作品オリジナルHDR仕上げフローのご紹介

OTT作品のHDRグレーディングアプローチ、アニメ作品にフィルム銀残しの色調・質感を再現するカラーグレーディングアプローチなどについて、実際の作例を使い説明しました。また、Blackmagic Cloudコラボレーション(※)による、効率的なオンライン編集とカラーグレーディング作業フローの紹介も行いました。

※ Blackmagic CloudはBlackmagic Design社が提供するサービスです

カラリスト斎藤 岳史
エディター 平野 郁也

EIZOモニターの展示、他各種サービスの展示

「Colette」はEIZO株式会社が提供するColorNavigator Networkを活用することで複数台のモニターを一元管理しています。来年1月24日に新発売のHDRリファレンスモニター PROMINENCE CG1を含むColorEdgeシリーズを展示し、実際のモニター管理画面やColetteで使用している専用の計測器、リモートキャリブレーションの様子や具体的なサポート内容等、関連する技術について幅広くご覧いただきました。

また、荻窪アニメーションハウスを含めたポストプロダクションサービスのほか、ワールドワイドな配信や劇場で公開されることが多くなっているアニメーション作品において、ご利用いただける多言語ローカライズサービスや、素材が流出しても追跡調査を可能にするInvisible Watermarkサービスの紹介も行いました。

長時間にわたるプログラムでしたが、各講演で多くの質問をいただいたり、展示しているパンフレットを手に取る方が多くいらっしゃいました。

当社のサービスの根幹にある「色の管理(カラーマネージメント)」は、マルチプラットフォームへの配信・上映においても要となります。これからも、長年にわたり「色」に対する技術と経験、知識を培ってきた当社だからこそ提案できるカラーマネジメントサービスで、みなさまの作品作りのサポートを続けてまいります。

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