第26回JPPA AWARDS 2022映像技術部門にて、当社スタッフがカラーグレーディングを担当した『ドライブ・マイ・カー』が優秀賞、『東北・新潟の魅力発信映像「The View from TOHOKU & NIIGATA」』が審査員奨励賞を受賞

一般社団法人日本ポストプロダクション協会(JPPA)が主催する第26回JPPA AWARDS 2022の一般部門において、当社の北山夢人がカラーグレーディングを担当した『ドライブ・マイ・カー』が映像技術部門「優秀賞」、河原夏子がカラーグレーディングを担当した『東北・新潟の魅力発信映像「The View from TOHOKU & NIIGATA」』が映像技術部門「審査員奨励賞」を受賞いたしました。

JPPA AWARDSはポストプロダクション業務に携わる技術者の技術向上のため、応募された映像作品の中から優れた映像技術・音響技術に対し「優秀賞」「新人賞」を選出しています。優秀賞に選出された作品の中から、各部門の「グランプリ」、全優秀賞の中から「経済産業大臣賞」が選出されます。

映像技術部門 グレーディング ドラマ/映画 「優秀賞」受賞

『ドライブ・マイ・カー』 カラリスト 北山夢人

(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

(審査員総評)

数多くのシチュエーションが重なり合う世界観は、見ている者を映像の中に引きずり込ませる魅力がありました。冒頭の室内、動いている車内、ホテルのバーにおいての暗部のディテールの表現と、人が他人には見せたくないミステリアスな部分の演出が重なり合い、そこにナチュラルに入ってくる光が心地良かったです。このようなシーンでは、フェイストーンのバランスや暗部の調整が難しくなるところですが、全編に渡りナチュラルトーンで構成されていて、綿密なグレーディング作業をしている事を感じさせないところが素晴らしい。
岡田将生さんの瞳に映り込むキャッチライトも絶妙なバランスでしたし、北海道の雪景色のトーンなどは、シアンブルー系のトーンでありながら雪の香りを感じるほどの透明感があり、暖かくさえ感じてしまう魅力がありました。
監督、カメラマン、照明の作り上げた素材を見事にグレードアップさせたグレーディング作品です。

映像技術部門 グレーディング ドキュメンタリー/情報/バラエティ/VP/大型映像/その他 「審査員奨励賞」受賞

『東北・新潟の魅力発信映像「The View from TOHOKU & NIIGATA」』カラリスト 河原夏子

本作品は最先端の撮影技術と映像技術を使って東日本の美しい自然と、人々の姿を表したパノラマ大型映像作品です。東日本大震災の発生から10年の節目として開催された東北・新潟の情報発信拠点事業「東北ハウス」において公開されました。

(審査員総評)

大型ドローン、4Kシネマカメラ3台連結、撮影解像度12000×6000ピクセルという最新技術を駆使しての2年に渡る大作に感動しました。4K・DLPを使ったオリジナル解像度でのリアルタイムグレーディングはご苦労が多かったかと思います。
雄大な景色の素材であるため、意図的なグレーディングテクニックというよりも、ナテュラルトーンを如何に引き出すかがテーマだったと思います。まして、長まわしにより、光の方向性も変化していくため、色々な補正テクニックを駆使した事と思います。今後も進化し続ける技術にチャレンジし、新たなワークフローを確立していってください。

当社ではフィルムタイミングで培ってきた映像の色彩表現に関する知識と経験を、新しい世代の技術者が受け継ぎ、映像技術の進化とともに細かな工夫を積み重ねることでカラーグレーディングの技術を磨き続けてまいりました。
これからも、作品の世界観や創り手のイメージを魅力的に表現するために、技術の研鑽を重ねてまいります。