一般社団法人 日本映画テレビ技術協会主催「第50回(2020年度)優秀制作技術賞」(旧柴田賞)を受賞

当社フィルムプロセススタッフの野原あかねが、一般社団法人 日本映画テレビ技術協会が主催する第50回(2020年度)優秀制作技術賞(旧柴田賞)を受賞しました。

優秀制作技術賞は、映画、テレビ、科学映像、イベント・プロモーション映像制作の諸技術に従事している技術者で、他の模範になり得る業績をあげた者を対象として贈られる賞です。その職種に携わっておおむね10年までの個人が選出されます。

受賞者
野原あかね

2005年、株式会社IMAGICA(現:株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)に入社し、劇作品やCM等、新作を中心としたフィルムのプリント工程の整理作業に携わる。その後、アーカイブ作品の修復を主な業務とする株式会社IMAGICAウェスト転籍し、特殊なフィルムフォーマットや、著しく劣化が進行した作品など数多くのフィルム修復を担当。

受賞理由
IMAGICAウエストでは、それまで培った技術を活かし、古いフィルムの修復技術を新たに身に付け、東京国立近代美術館フィルムセンター(現国立映画アーカイブ、以降NFAJ)の復元担当者となり、多くの貴重な作品を蘇らせた。中でも、カラーフィルムが登場する以前の1928年から1935年に発売されたコダカラーという短命規格の復元においては、極めて特殊な構造ゆえに近年までカラー化が困難だった作品を復元することに成功した。
復元されたNFAJ所蔵のフィルムは「発掘された映画たち2018」としてNFAJで企画上映され、同時に開催された「NFCアーカイブセミナー」においては講師も務めた。
さらに映像を後世に残していくために復元技術だけではなく、フィルム自体の劣化を抑える取り組みに力を注ぎ、各地域特有の映像を保管している行政機関や博物館、美術館、図書館、大学など、専用の保存環境を整えることができず苦慮している担当者に寄り添い、予防保存のためのセミナーやワークショップを積極的に開催し、講師を務めている。
2019年3月開催の大阪中之島美術館主催の「第1回ミュージアムワークショップ」では学芸員に視聴覚メディアの取り扱いに関する技術指導を行い、同年10月開催の大阪歴史博物館主催の「ユネスコ世界視聴覚遺産の日 Come to Life! 大阪の映像資源を再発見」では、フィルムの調査方法や取扱・保存方法について美術館や大学等の職員にレクチャーを行った。
また今後業界に寄与する後進を育成する姿勢は、映画の技術者やフィルム保存を志す若い世代にとって模範となるものであり、本賞に値する。

当社の技術者たちは常に誠実に映像制作に向き合い、新しい世代へ技術と技能を伝承してまいりました。これからも映像業界の発展に寄与してきた姿勢を忘れることなく、技術の研鑽を積み重ねてまいります。

一般社団法人日本映画テレビ技術協会 公式サイト  http://www.mpte.jp/