一般社団法人 日本映画テレビ技術協会主催「第51回(2021年度)優秀制作技術賞」(旧柴田賞)を受賞

当社フィルムプロセススタッフの柏瀬 純子が、一般社団法人 日本映画テレビ技術協会が主催する第51回(2021年度)優秀制作技術賞(旧柴田賞)を受賞しました。

優秀制作技術賞は、映画、テレビ、科学映像、イベント・プロモーション映像制作の諸技術に従事している技術者で、他の模範になり得る業績をあげた者を対象として贈られる賞です。その職種に携わっておおむね10年までの個人が選出されます。

受賞者 :
柏瀬 純子
1999年 株式会社IMAGICA入社。
映画部に所属し、フィルムプロセス技術者として16mmから70mmフィルムまで様々な作品に携わった。フィルムプリントを通じて培った知識と技能が評価され、小津安二郎の『東京物語』や『麦秋』を始め、日本映画を代表する数々の作品の復元に携わる。2019年より活動拠点を関西に移し、テクニカルアドバイザーとして映画の復元や保存に関連する業務に携わる傍ら、地域映像の保存活動に尽力している。

受賞理由:
特に地域映像をいかに後世に伝えていくかというテーマに注力し、行政機関などと共に地域映像を守る活動を行っている。様々な地域に残されている貴重な記録映像を修復し、最適なデジタル映像として蘇らせることで、地域に残る映像を地域で守ることの大切さを伝えるため、「フィルム・リノベーション・トーク」というイベントを開催し、講師も務めている。
更に、地方創成SDGsを念頭に、地域でのフィルム修復技術者の養成も主導しており、京都府と開催している京都デジタルインキュベーター事業にも携わり、全国から集まった博物館の学芸員や研究員、企業担当者、行政機関の資料管理者、大学教員や学生など、幅広い層を対象に映像の保存や活用方法についてトレーニングを実施している。
また、海外での技術者養成にも取り組んでおり、マレーシアの政府機関IRDA「Iskandar Regional Development Authority」が主催する、映像業界の若手プロフェッショナルトレーニングプログラムでは、「Imagica SEA Post Production Training Program 2015」の講師を務め、フィルムの取り扱いや映画の保存についてレクチャーを行った。フィルム技術者として自らの経験や技術を活かし、地域映像の持続可能な保存活動を支援し、地域の豊かな映像文化を後世へと伝えていく姿勢は本賞に値する。

受賞した柏瀬 純子。劣化フィルムのコマ撮りスキャン作業の様子。

当社の技術者たちは常に誠実に映像制作に向き合い、新しい世代へ技術と技能を伝承してまいりました。これからも映像業界の発展に寄与してきた姿勢を忘れることなく、技術の研鑽を積み重ねてまいります。

一般社団法人日本映画テレビ技術協会 公式サイト
http://www.mpte.jp/