一般社団法人 日本映画テレビ技術協会主催「第52回(2022年度)優秀制作技術賞」(旧柴田賞)を受賞

当社フィルムプロセススタッフの阪上啓介が、一般社団法人 日本映画テレビ技術協会が主催する第52回(2022年度)優秀制作技術賞(旧柴田賞)を受賞しました。

優秀制作技術賞は、映画、テレビ、科学映像、イベント・プロモーション等の映像制作の諸技術に従事している技術者の中で、他の模範になり得る業績をあげた者を対象として贈られる賞です。

受賞者 :
阪上啓介
1998年 株式会社IMAGICA入社。
フィルムプリントの技術者として『座頭市』や『眠狂四郎』の映画シリーズの他、テレビドラマ、アニメ、CMまで多岐に渡るジャンルで2,000タイトル以上の作品に携わる。近年は、自社開発の4Kウェットスキャナー「Cine Vivo」の開発に携わり旧作のデジタル化にも取り組んでいる。

受賞理由:
1998年 株式会社IMAGICA(現 IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)入社。
現像部に所属し、現像や分析業務を経た後、プリント(焼き付け)技術を習得し技術者として独立した。その後、旧作映画の復元プロジェクトに関わり、劣化した原版フィルムの状態に合わせてプリンターを調整し、時には新たな部品を製作し対応した。そのような実績が評価され、2009年に日本で初めて重要文化財に指定された『紅葉狩』(国立映画アーカイブ所蔵)の復元案件では、最良の複製フィルムのプリントに成功した。
2007年からは映画のオプティカル作業にも従事した経験を活かし、映画制作フローがフィルムからデジタルに移行した後も、オプティカルプリンターを復元専用のプリンターへ改造することにより、それまで複製が不可能だった極度に劣化したフィルムの救出が可能となったことで、『一粒の麦』や『今日われ恋愛す』など、長く失われたとされた映画作品の復元に成功した。
2018年からは残存例の極めて少ないフィルムフォーマットの複製にも成功し、これらの特殊フォーマットから4Kスキャンできる装置の開発にも携わった。
このような技術と経験は、国内外の専門家からも評価されており、大学での講演やインターンシップの指導者としても貢献する姿勢は本賞に値する。

受賞した阪上啓介。
フィルム復元作業のためオプチカルプリンターを操作している様子。

当社の技術者たちは常に誠実に映像制作に向き合い、新しい世代へ技術と技能を伝承してまいりました。これからも映像業界の発展に寄与してきた姿勢を忘れることなく、技術の研鑽を積み重ねてまいります。

一般社団法人日本映画テレビ技術協会 公式サイト
http://www.mpte.jp/