特殊処理

通常の現像処理やプリントのほかに、増感・減感・銀残しといった特殊現像や、無声映画時代の表現手法であったフィルム着色の技術の再現を行っています。
これらの特殊処理ではフィルムの特性を生かした、独特の風合いを表現することができます。

銀残し

現像プロセスのうち漂白の工程を省略しカラーフィルム上に銀の成分を残すことで、彩度が低くコントラストが高い独特の色彩表現となります。

ポジフィルムのプリントの段階で銀残しを行うと、暗部の黒が締まった状態になるため、渋い雰囲気を持たせることができます。逆に、ネガフィルムの段階で行うと、ハイライトが強調された淡い色彩の 雰囲気になります。

邦画作品では「おとうと」(1960年 市川崑監督作品)にて初めて採用され、ハリウッドでは「マトリックス」や「プライベート・ライアン」などの大作にも効果的に採用されています。

染色・調色

映画の黎明期から1930年代までのサイレント期の時代においては、白黒映画に彩りを与えるため上映用の白黒ポジフィルムを染料で染めたり、銀画像を色を持った他の金属に置換したりする技法が用いられた時代があります。文化財としてのフィルムの復元・アーカイブに取り組む当社では、当時の技法自体を再現しフィルムの復元とともに染色の技法を復元しています。

海中を表現した染色
紅葉を表現する染色
セピアカラーへの調色

白黒・サイレントなので、セリフもない中で映像だけで伝える表現を工夫してきた先人の技法を再現することで、映像技術の文化的な側面を再発見することにもつながっています。

このサービスについてのお問い合わせ

下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。