【NHK】小津安二郎監督の名作「父ありき」、検閲前の完全版復活の取り組みが紹介されました
戦時中に公開された小津安二郎監督作品「父ありき」(1942年)。本作品は戦後、GHQの検閲によりいくつかの場面が削除されたり、音声が修正された版しか残されていませんでしたが、公開から60年近くを経て検閲前のフィルムがロシアで発見され、東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)に収蔵されました。小津安二郎生誕120年を迎えるにあたり、松竹株式会社様、国立映画アーカイブ様とともに当社のフィルム修復技術者が検閲前後のフィルムを合わせた完全版ともいえるフィルムを復活させるプロジェクトに取り組みました。フィルム修復技術者がフィルムについたキズや汚れなどを取り除き、完成当時の姿に近づけるデジタル修復の現場をNHKに取材していただき、7月22日の「NHK NEWS おはよう日本」でその様子が紹介されました。
小津安二郎監督作品「父ありき」は、男手ひとつで一人息子を育て、深い愛情で固く結ばれた親子関係を繊細に描いた作品。小津監督には珍しく戦時色が強く、戦後の検閲で「正気歌」を吟じるシーンやラストの「海ゆかば」の音声がカットされたことが検閲済み台本などから知られている。
(あらすじ)
妻に先立たれ、男手一つで息子を育ててきた金沢の教師・堀川(笠智衆)は、修学旅行の事故の責任をとり辞表を出す。息子を連れて故郷の長野県に戻った堀川は村役場で働くことになる。息子の良平(津田晴彦)は中学に進み寄宿舎に入り、堀川は単身上京してもう一働きして良平を進学させてやりたいと話す。その後、良平(佐野周二)は仙台の帝大に進み秋田の学校で教職につく。父は、金沢時代の同僚だった平田(坂本武)の娘(水戸光子)を貰ってはどうかを良平に聞く。良平は照れながらも任せると言うが、数日後、堀川は急に倒れあっけなく息を引き取った。そして、良平とふみは秋田県へ向かうのだった。
松竹株式会社 ホームページ 【作品データベース】父ありき より
https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/02332/
NHK ホームページ
~小津安二郎監督の検閲受け一部カットされた作品を復元 上映へ~
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230722/k10014138471000.html